住宅ローンを除く消費者信用機関の機能について述べておこう。消費者信用は消費者が購入した商品やサービスの代金支払いについて信用を供与する販売信用と、消費者に直接融資する消費者金融とに大別される。消費者信用機関の資金調達も銀行等からの借入金が主たるものである。したがって、消費者信用機関は銀行等に借入証書という間接証券を発行して資金を調達しているわけである。資金の最終的貸し手と最終的借り手の関係は、住宅金融専門会社を通ずる金融と同じである。八〇年代後半では、個人消費全体に占める消費者信用の比率は二割程度になっているが、今後、個人消費が伸びていくにつれて、それに占める消費者信用の比率も高まっていくと予想される。
国内では生保が持っていた円預金がいったん銀行部門から引き出されて証券会社に支払われるが、証券会社がその円預金で銀行からドルを購入することによって、円預金は再び銀行部門に戻ってくる。したがって、これら一連の取引の結果、円預金残高は変化せず、マネーサプライは変化しない。それでは、米国に居住する米国企業が日本の債券市場で円建てで債券を発行して資金を調達することにより、日本から資本が流出する場合はどうなるだろうか。このケースでは、日本の投資家が円預金を引き出して円建て債の募集に応じると、日本の銀行に米国の起債企業(債券発行企業のこと)の円預金として入金される。これにより米国居住の起債企業の円預金が増大する。しかし外国の居住者が日本の銀行に保有している円預金は、日本のマネーサプライの中に含めて定義される。また、この起債企業が円預金を自国の銀行に預け換えすると、この円預金はユーロ円預金と呼ばれるようになるが、ユーロ円預金の払い出し、振替などは日本の銀行によって決済されるため、日本の銀行に預けられている円預金と同じように扱われる。以上の結果、円預金が外国の居住者に移転して、日本から資本が流出する場合でも、日本のマネーサプライは変化せず、生じないのである。
LBOは買収先企業の資産を担保に集めた資金で買収を遂げる方式ですが、米国のコールパーク・ロバーツ社(KKR)がRJRナビスコを買収したときは200億ドル以上もの資金が動きました。このとき活躍したのも日本の銀行です。第一勧業銀行、住友銀行、富士銀行など軒並みKKR社への融資に名を連ね、50億ドル前後を供給しました。KKR社のナビスコ買収はほんの一例にすぎません。LBO、M&Aに限らず、世界のいたるところで計画されている大型プロジェクトの資金供給源として、日本の銀行は積極的な活動を繰り広げています。1989年秋、第一勧業銀行はマニュファクチュラース・ハノーバー銀行(マニハニ)のリース子会社を買収するとともに、親銀行にも出資をすることになりましたが、総額はおよそ15億ドルにのぼります。この買収及び出資はマニハニの財務内容を健全化する支援の意味合いがあります。87年にはバンカメリカの経営支援のため日本の各行が劣後債を引き受けたこともありました。ジャパンマネーへの期待は米国の銀行にも及んでいます。