99年8月、プラダがブルーザンダーを買収。当初、ジルはこの買収に対して、今後、プラダとは親密な関係を築きたい。プラダとビジネスを展業後、カリフォルニア大学で英語を習得。ファッションジャーナリストを経で、デザイナーに。買収後も、ジルは最高責任者、初めてのブティックをハンブルグにオープン。86年からミラノコレクションに参加。無駄を省いたシンプルなデザインと仕立ての良さから、「フランクフルトのアルマーニ」ともいわれる。自分のブランドのすべてのデザインとスタイリングを統括する予定であった。ところが、2000年1月に突然デザイナー辞任を表明。合理化を強力に推進するオーナー側の経営方針と独創性を重視するジルの方向性が対立したためとのこと。プラダの傘下に入って初のコレクションであった00年秋冬を最後に自らが築いたブランドと決別。ショーのフィナーレでは「人生は時に上手くいかないこともあるけど、上を見上げれば、真っ青な空が広かっている。上を向いて、背筋を伸ばして前を見ていれば、そのうちにいいことがある」と涙ながらに発言。プラダとの契約で03年まではデザイナー活動も禁止。ここ数年、やっと時代に合ってきた旬の人だけに、かなり惜しい。ジルーサンダーの後任デザイナーは未定。
ワコールの主な特徴の一つは、優れた情報システムが早くから完備されたハイテク企業である点だ。例えば、店頭での売れ行きに応じて商品を自動的に生産・補充するシステムを早くから構築している。いわば垂直的なマーケティングシステムであるSCMシステムだ。主力取引先と受発注、納品、代金決済などあらゆる取引形態はEDI(電子データ交換)と呼ばれるオンラインネットワークシステムにより構築されている。同時にPOSデータと在庫データを双方で共有化、補充したり、自動発注が可能になっている。一方、同社ではそのデータに基づき海外工場とデザイン画や縫製規格の情報をインターネットを通してQSR体制が整備されている。これを同社ではcALsc(生産、調達、運用支援統合情報システム)と呼んでいる。
冬服の準備をする季節がやってくると、季節の変化はうれしいけれど、もうすこしゆったりと季節が流れるといいなと、毎年思う。特におだやかな秋には、どうぞゆっくりくつろいで、ゆったりのんびりなさって、と声をかけたくなる。が、そうもいかず駆け足で冬がやってきた。雑誌や店舗は暑い頃から先取りして秋冬物を紹介してくれる。そんな時期にデパートで夏の軽装でいると、何だか惨めな気持ちになって、ついつい秋物を買ってひと安心。ところがいったん外に出るとモワッと暑い。やっぱりまだ暑いのね……、この何とも不思議なひとり相撲的心の揺れ。しかし、季節を先取りしたショップは新鮮だ。その新鮮な空気の中にいると、私などどうかなりそうなくらいどっぷりつかって、「あの服、この服、みんな素敵」と小躍りしそう。「いいお客様」の代表選手だ。